ひとくち説法

「笑顔」

先日お寺で三回忌のご法事がありました。人が亡くなられたあと、遺されたご家族はご葬儀を納めたあとも、初七日忌の御供養から始まり、四十九日忌・一周忌・三回忌・七回忌と故人を偲び感謝を届けるご法事が続きます。三回忌とは、亡くなられて二年を迎える大切な一つの節目であります。

本来であればご親戚を招いて、ご法事を執り行いたかったそうですが、新型コロナ感染の予防もあり、ご家族のみでご法事を執り行いました。施主の娘さんも、亡き母親に申し訳ないと仰っておりましたが、今の世情を考えると致し方ないと感じました。ご法事は形も大切ですが、恩返しの思いや気持ちが何よりも大切ですね。

日蓮聖人の御教えの中にも、恩の大切さが種々説かれております。この恩には、四つの恩(四恩)があります。父・母への恩、いま共に生きている衆生(社会)への恩、私たちが住まわせていただいている国王(国家)への恩、そして、いつも見守って下さっている「三宝(仏・法・僧)」への恩。

とりわけ日蓮聖人は親への恩を大切になさいました。

「親によき物を与えんと思いて せめてする事なくば一日二三度笑て向かえ」(「上野殿御消息」日蓮聖人のお言葉)

「親に何か素敵な物やプレゼントを贈ることができなくても、親と顔を合わせた時は笑顔で接しなさい。子供の笑顔は親への何よりの親孝行であり、恩返しなのだよ」とご教示くださいました。

親にとって一番嬉しいことは、子供の日々の成長と何よりも笑顔ですね。